GANA Theatre

ケニア・ナイロビのスラムを拠点に活動するNGOについて紹介するブログです

ナイロビのスラムでの暮らしについて

こんにちは、ケニアのナイロビで活動しているNGO:GANA Theatreの日本語ブログです。

 

今日はナイロビのスラムでの暮らしについてご紹介します。

 


こちらはケニアの首都ナイロビにあるムクル・クワルーベンというスラムの写真です。

このスラムは市内でも有数の大きさで、ここだけでも数十万人が暮らしていると言われています。ナイロビ全体では人口の半数近く、数百万人がスラムで生活しているとされます。

 

そもそもスラムとは何かというと、国連人間居住計画(UN-HABITAT)の定義によれば以下の5つの項目のどれか1つ以上に該当するものを言います。

  1. 安全な水が手に入らない
  2. 衛生的なトイレが利用できない
  3. 住む場所が狭い(1部屋に4人以上住まざるを得ない)
  4. 家の耐久性が低くて荒天に耐えられない
  5. 立ち退きを迫られるリスクがある

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こうした場所は世界中にあり、世界の8人に1人がスラムに住んでいると推定されています。

 

ナイロビに話を戻します。

市内にあるスラムは基本的に市や国の土地の上に家を建てています。住民は大家に家賃(家によりますが数千円/月)を払っています。当然契約書などはありません。市が新たに建物や道路を作るとなればその予定地にある家は撤去されてしまう恐れがあります。日本の感覚からすると非常にショッキングなことですが、公的機関は必ずしもスラムに住んでいる人々の味方とは限りません。

 

写真にあるように大量に不法投棄されたごみはどのスラムでも問題になっています。ごみ収集が定期的になされるわけではないからです。ごみの投棄は見つかると逮捕されますので、住民は夜中にこっそりと捨てていくそうです。

 

写真にはブタがごみを食べているのが写っています。これは家畜として飼われているもので、餌代を稼げない代わりにごみを与えています。育ったブタや牛はスラム内の肉屋に売られていくそうです。ごみに含まれる重金属などを摂取しているので品質には懸念があります。

 

上下水道は一部を除いてスラムの中には通っていません。非常に家が混みあっていて工事も容易ではありません。その代わり、溝っぽい地形になっているところにトイレの糞尿などの真っ黒な水が流れています。乾季はまだ臭いもましですが、雨季になるとごみや汚水があちこちに流れていくことになります。当然、病気や害虫・害獣の原因にもなります。

 

こんな生活環境ですが、スラムの中には想像もしないほど多様な施設やお店があります。

 

学校や八百屋、肉屋、散髪屋、料理屋、金物屋などなど…。面白いものとしてはMpesaと呼ばれるモバイルマネーを扱う店がどんなスラムの奥地でも必ずあります。ケニアキリスト教、次いでイスラムが多いそうですが、教会もモスクもどちらもあります。

 

スラムに住んでいる人は場所によっても様々ですが、地方から都市部に出稼ぎに来た人たちが多いように思います。ケニアでは仕事がないことが大きな問題の1つです。近隣の工業地帯や市内のサービス業に従事している人のほか、定職を持たない日雇い労働者も数多くいます。

 

勝手に住み着いている人々だということで、彼らは行政から非常に軽く扱われてきた歴史があります。ケニアに関しては少しずつ良い方向に変わってきてはいますが、あまりに多くの問題が山積している上に人口も更に増えていくことが予想されているため、解決にはまだまだ時間がかかるでしょう。

 

(続く)

【自己紹介】ケニア・ナイロビで活動するNGO:GANA theatreについて

本ブログではケニアのナイロビで活動しているGANA theatreという現地NGOを紹介していきます。

 

このNGOではキベラスラムやカビリアスラムという市内のスラムにおいて、子どもたちにダンスやドラム、サッカーを教えながら、同時に1食のごはんを提供し、手洗いなどの衛生行動の大切さも伝えています。

さらに、子どもたちの両親にも貯蓄の文化や自営業について教えることで地域社会に貢献しています。

 

なお、GANAとはGHETTO ARTS NYUMBANI ACADEMYの略です。

 

ご関心を持っていただいた方は是非こちらのホームページから詳細をご覧ください。

https://ganatheatre.org/

 

よろしくお願いいたします。